海上・港湾・航空技術研究所では、技術的政策課題の解決に向けた対応、災害及び事故への対応、橋渡し機能の強化、知的財産権の普及活用、情報発信や広報の充実といった研究開発成果の社会への還元や、国際基準・国際標準への貢献や海外機関等との連携などの戦略的な国際活動の推進を進めています。ここではこれらの活動の一端をご紹介します。

知識・データシステム系 和田 祐次郎主任研究員他、第11回汎アジア海洋技術学会連合 (PAAMES) フォーラム / 先進海洋工学会議 (AMEC)においてBest Paper Awardを受賞

知識・データシステム系の和田祐次郎主任研究員他が、12月10日-12月12日に開催された11th Pan Asian Association of Maritime Engineering Societies (PAAMES) Forum/Advanced Maritime Engineering Conference (AMEC) 2025においてBest Paper Awardを受賞しました。

令和7年度第4回出前講座(福岡空港事務所)開催報告

国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 電子航法研究所(所長:福島荘之介)では、令和7年10月30日(木)に国土交通省大阪航空局福岡空港事務所(福岡県福岡市)において、出前講座を開催しました。
 「リモートデジタルタワーシステムに関する研究開発の概要」、「空港面監視技術の概要について」「新しい航空機監視技術(ADS-B)の概要について」と題して、リモートデジタルタワーシステムの機能紹介、空港面での航空機の位置を監視する技術の概要や当所が取り組んできた性能評価手法について紹介しました。皆様との交流を通じて、貴重なご意見を得ることができ、今後の研究活動の参考となりました。

なぜM9級カムチャツカ巨大地震は73年で繰り返し発生したのか

1952年にマグニチュード(M)9級の超巨大地震が起きたカムチャツカ半島沖で今年7月、再びM9級の地震が発生しました。地震学の常識を覆す発生間隔の短さの謎を解明するため、その破壊過程を精密に解析し、巨大地震が古典的な地震サイクルモデルでは説明が困難な挙動をしていることを示しました。
 解析の結果、73年間で蓄積されたすべり遅れ(約6m)を大きく超える9?12mの大すべりが広い範囲で発生していたこと、さらに大すべり域の内部で断層すべりが2度加速していたことが明らかになりました。研究チームは、1952年の地震で解消されずに残った古いひずみに、1952年以降のひずみが加わって蓄積され、それが2025年の地震でほぼ解放されたと結論づけました。
 本研究は、破壊物理の違いなどにより、巨大地震後に残留するひずみの量には大きな違いが生じ、結果として巨大地震の周期が乱れ、再来間隔が規則的でなくなることを明らかにしました。これは南海トラフを含む世界の沈み込み帯で実施されている長期地震予測モデルに重大な示唆を与えるものです。

マイクロウェーブ展2025

国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 電子航法研究所(所長:福島荘之介)は2025年(令和7年)11月26日(水)~28日(金)に開催される「マイクロウェーブ展2025」に出展します。 開催当日は、滑走路異物監視システム等、電子航法研究所の研究成果を紹介する予定です。

流体性能評価系宮崎上席研究員が東ソー物流株式会社主催の「船舶安全対策協議会」において出前講座を実施

国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 平田 宏一)の流体性能評価系宮崎上席研究員は、11月7日(金)に、山口県周南市で開催された、東ソー物流株式会社が主催する船舶安全対策協議会で、「走錨リスク判定システムを用いた事故分析」と題した出前講座を実施し、東ソー物流株式会社ならびに関連企業の皆様を中心に、多くの方々にご聴講いただきました。

SALVIA–OCT.–web(実船モニタリングデータ解析プログラム)をバージョンアップ—POLARIS Hindcastの日本近海の気象・海象データが利用可能に—

令和7年10月14日に、Web上で動作する実船モニタリングデータ解析プログラム「SALVIA-OCT.–web V2.1」を海技研クラウドで公開いたしました。

AUV「ほばりん」富山湾海域における海底環境調査を実施

令和7年7月29日(火)~令和7年8月1日(金)、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 平田 宏一、以下 当所)の、ホバリング型AUV「ほばりん」が、富山湾海域における海底環境調査に参加しました。

韓国航空大学(KAU)と基本合意書及び共同研究契約の締結について

国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 電子航法研究所(所長:福島荘之介)は、韓国航空大学(KAU)と10月29日付けで2者間連携に係る基本合意書(Collaboration Framework Agreement)を締結いたしました。両者間の連携により、技術情報の交換、研究員や学生の人材交流、航空交通分野全般(CNS/ATM)の技術課題の解決に向けた議論や研究開発を行うことを目指します。また、本合意書に基づき、日韓の航空交通管理システムの軌道予測の改善を目的として、データ駆動型の機械学習を用いた予測技術に関する国際共同研究を契約し開始いたします。

海技研職員の主導により船底防汚塗料の性能評価に関する国際規格が発行されました

ISO/TC 8/SC 2(国際標準化機構/船舶及び海洋技術専門委員会/海洋環境保護分科委員会)は、船底防汚塗料に関する新たな国際規格「ISO 21716-4:2025(船舶と海洋技術-防汚塗料をスクリーニングするための生物試験法-第4部:藻類)」の発行を発表しました。本規格の開発に際しては、国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 海上技術安全研究所(所長 平田宏一、以下「当所」) 小島隆志 上席研究員が作業部会のプロジェクトリーダーを務め、研究に基づく科学的知見と実証データを活用して規格開発を主導しました。

砂浜の海岸線予測にはガリ勉不要!?~短期集中観測データの学習は長期間のデータでの学習を上回る予測精度を得る~

港空研沿岸土砂管理研究グループの陳信宇専任研究員、伴野雅之グループ長、京都大学防災研究所の森信人教授による共同研究チームは、砂浜の海岸線が季節によってどのように変化するかを予測する際に、従来常識とされてきた数値モデルの最適化を「長期間のデータで学習させる」手法よりも、わずか2年という「短期間のデータで学習」させた方が、はるかに予測精度が向上するという画期的な手法を発表しました。
 この「少ない方が、成果は大きい (Less is More)」という発見は、必ずしも観測データが十分に得られない海岸でも、短期間の観測で高精度な海岸線変化の予測が可能となることを意味しており、今後の海岸管理や防災計画に大きな影響を与える可能性があります。
 本研究成果は、2025年8月28日に国際学術誌「Geophysical Research Letters」に掲載されました。